食糧を確保し、保存するということは、生きていく上で欠かすことのできない行為である。本書は、1983年に発行された『食品包装講座』の増補版。写真や図表が多用され、食品安全検査に欠かせない異物検知機械や殺菌可能な紙容器、医療・高齢者向けの食品など新しい材料や技術を反映している。まず、最初の章では食品包装の定義、目的、歴史、形態、方法などを説明し、次に、食品と微生物の関係とそれらとの付き合い方を、脱酸素、加熱殺菌など制御方法を具体的に挙げて論じています。4、5章では液体食品、流動性食品、固形食品など形態にあわせた包装方法と、そこで使われる紙、金属、プラスチックなどそれぞれの材料の特性を解説している。6章以降は、包装した食品の品質を保つための技法・技術を紹介している。最後に、食品を取り巻く環境の変化にあわせて、包装容器もリサイクルなどに重点が置かれるようになったことを述べ、今後の見通しについてまとめている。