看護・介護・福祉サービスは、内容的に重なる部分が多いのにも関わらず、行政・教育・研究面での接点が乏しく、治療の場において相互的・有機的連携が取れていないことが大きな問題となっている。本書は、この三者の守備範囲について明確な視点を持って連携を図るための手引きと言うことも出来る。 ; 「看護」では、まず看護理論とその変遷、看護教育の歴史、看護の役割と機能、歴史や方法を説明している。以降、“母性看護"“小児看護"“成人看護"“精神看護"などそれぞれの分野の特徴や支援法を解説している。「介護」では、概念に続いて歴史、福祉政策や介護技法、技術各論、介護従事者と他職者との連携などを章立てて紹介している。また、イギリスやスウェーデン、オランダ、アメリカなど海外の介護事情にも触れている。「福祉」も同様に、福祉の思想や歴史などの基本理論、福祉の制度や領域、社会福祉援助の方法などを解説している。最後に、医療福祉や司法福祉など関連する福祉領域と、医療・精神医療・看護・介護・教育との関係についてまとめている。