地震や異常気象による災害が、近年では規模の大小を問わずかなりの頻度で発生し、世界の至る所で自然の脅威にさらされている。本書は、日本の自然災害を中心に世界の大自然災害も収録しており、日本については死者・行方不明者が100人以上規模、世界のものでは1000人以上規模の災害事例をとりあげている。実際の災害地の建物や道路などの写真、災害前後の衛星写真を多用してわかりやすく解説している。 ; まず、「衛星から見た自然災害」での写真による影響分析から始まり、「地震災害」では、地震災害の種類や影響因子の説明の後、日本の兵庫や新潟、岩手などの地震、世界ではジャワ島、中国四川の大地震などの記憶に新しい例をとりあげ、「震度階の変遷」を特集している。「火山災害」では、火山災害の種類と特徴や噴火の予測、九重山や岩手山、三宅島、富士山、浅間山や、世界の火山地域における災害を解説している。「津波災害」では、ジャワやスマトラ沖の大災害事例を、「気象災害」は洪水、干ばつ、熱波、暴風、豪雪など多岐にわたるこれまでの気候変動の分析、世界の気象災害の記録と年表を、「土砂災害」は、土砂災害についての解説と対策、日本と世界の事例を掲載している。「先進国と途上国の地震・津波被害を抜本的に軽減するために」では、わが国の地震防災対策のあるべき姿、途上国を対象とした地震・津波防災対策のあり方、インド洋沿岸諸国に適した津波災害軽減システムについて論じている。付録に「図表で見る地震国日本の実態/日本の地震環境」の他、日本と外国の主な自然災害年表がある。