ヒトは身の安全を確保するために、視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚の感覚から安全性や危険性など環境の状況を知覚し、適切な行動をとっている。またそれらの感覚から美術や音楽をたのしみ、食事を味わっている。その感覚や感情はヒトの心理に深く影響している。本書は1994年に出版された『新編感覚・知覚心理学ハンドブック』【SB2-E18】のPart2で、感覚や感情の成り立ちを生理学、物理学、化学、工学の方向から分析し、まとめたものである。近年、認知心理学の発展で五感間の相互作用や感覚・知覚事象の生理学的解明が行われ、記憶システムとの関係が重視されている。さらに無(微小)重力や過重力における前庭機能の研究により、言語ではなく、行動から感覚・知覚の測定法が開発されている。本書は「総論」、「視覚」、「聴覚」、「触覚」、「前庭機能」、「嗅覚」、「味覚」の7部構成です。各章末に文献があり、巻末に人名索引、和文事項索引、欧文事項索引を付す。