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著作典拠について


1. 著作典拠について

1-1. 著作典拠とは

著作典拠とは、書誌データの検索の手がかりとなる「著作」の情報を整理してまとめたものです。「著作」とは、文字や音声などで表現される前の作品のアイディアそのものを表す概念です。

たとえば、サン=テグジュペリの小説「Le petit prince」は、『星の王子さま』『小さな王子』などのように、さまざまな翻訳タイトルで刊行されていますが、本のタイトルや翻訳者が異なっていても、「著作」としては同一のものです。

「著作」の情報を整理してまとめた著作典拠によって、個別の資料のタイトルや翻訳者の違いに関わらず、同じ「著作」を具体化した資料をまとめて検索したり、同じタイトルをもった別の「著作」と区別して検索したりすることができます。

国立国会図書館では、2021年1月から著作典拠の作成・提供を開始しました。国立国会図書館における著作典拠の作成対象は、次のものです(ただし、音楽作品、聖典、法令などを除きます)。

  • 古典作品
  • 日本語訳のタイトルが複数存在する近現代の作品

著作典拠は、詳細情報画面の「典拠種別」欄に「著作」と表示されます。

図1:著作典拠の詳細情報画面(古典作品の例:「源氏物語」)
図2:著作典拠の詳細情報画面(近現代の作品の例:「Le petit prince」)

「名称/タイトル」欄に表示される著作のタイトルは、原則として古典作品の場合は日本語、近現代の作品の場合は原語のタイトルを採用しています。

著作典拠の「創作者等」欄には、著作に責任を有する著者の個人名典拠または団体名典拠のリンクが表示されます。

著作典拠に記録するタイトルなどの基準は、「アクセス・ポイント」(国立国会図書館ホームページへリンク)掲載の「著作に対する典拠形アクセス・ポイントの選択・形式基準」をご参照ください。

1-2. 著作典拠を利用した検索サービス

著作典拠の詳細情報画面には、「著作検索」と「件名検索」の二つのリンクボタンが表示されます。それぞれのボタンをクリックすると、国立国会図書館サーチの検索結果一覧ページに遷移します。二つのリンクボタンの検索結果一覧は、それぞれ次の資料に対応しており、著作典拠と紐づく書誌データを、目的に応じて区別して検索できます。

  • 著作検索(注1):その著作を具体化した資料
    • 例:著作「源氏物語」の復刻・翻刻、現代語訳、著作「Le petit prince」の翻訳書
  • 件名検索:その著作をテーマとする資料
    • 例:著作「源氏物語」の研究書、著作「Le petit prince」の解説書

(注1)著作典拠の作成および書誌データとのリンクは、当面の間、2021年1月以降に書誌データを作成する資料が中心ですが、一部の著作では2020年12月以前に作成した書誌データへもリンクを行っています。

1-3. 外部データベースとのリンク

古典作品の著作典拠と対応する国書データベースの著作レコードが存在する場合には、著作典拠に国書データベースの著作IDを入力しています。このIDは、著作典拠の詳細情報画面の「関連リンク」欄に、国書データベースへのリンクとして「28808 (KOKUSHO)」の形で表示され、クリックすると国書データベースの当該著作レコードを確認できます。

図3:著作典拠詳細情報画面からのリンクイメージ

2. 著作典拠の一括ダウンロード用ファイル

2025年8月29日より、著作典拠一覧の提供方法をこれまでの著作典拠一覧ページから、「一括ダウンロード用ファイル」ページでの一括ダウンロード用ファイルの提供に切り替えました。著作典拠の一括ダウンロード用ファイルはおよそ3ヵ月ごとに更新します。一括ダウンロード用ファイル掲載より後に作成または更新された著作典拠は、「SPARQL検索クエリ例」のページで検索して取得できます。